愛知県立芸術大学

音楽学部 音楽科

作曲専攻 音楽学コース

Musicology

興味を最大限に生かした研究をめざして

音楽学は、広い視野で音楽をとらえ、さまざまな方法論で研究する学問領域です。本コースでは、学部から博士前期・後期課程まで一貫性を見据え、少数精鋭をモットーに、クラシック音楽の研究から、ポピュラー音楽やマネジメントなど、学生の興味を最大限に生かしたきめの細かい指導を行っています。

学生は、音楽学のさまざまな専門科目のほか、音楽の理論や実技、また語学等を幅広く学び、音楽学の基礎的能力を身につけ、音楽の実践に密着した研究を展開することができます。また、音楽学部における演奏会のプログラムの解説執筆などを通して、実践的な研鑽を積み重ねていきます。

3つのポリシー

カリキュラムCurriculum

語学をはじめ、実技や理論を幅広く学ぶ

学部から大学院(博士前期・後期課程)までの体系を確立し、一貫性を見据えかつ少人数であることを生かしたゼミ形式によるキメの細かい教育を行い、学生の個性を伸ばし各自の幅広い興味を発展させる指導を行なっています。少数精鋭の教育と指導方法によって、一般および音楽関連企業への就職、教職(中高)および研究職(大学)、学芸員、国内外への進学など多方面への進路に進む人材を育成しています。

1年次

音楽学研究Ⅰ A/B

音楽学のさまざまな方法論を学ぶ。

楽書講読(英語)Ⅰ A/B

音楽に関する英語のテキストを精読する。英語のリーディング・スキルを身につける。

ソルフェージュA・B

和声Ⅰ

ピアノ奏法Ⅰ

2年次

音楽学研究Ⅱ A/B

音楽学のさまざまな方法論を学ぶ。

英語の読解力を向上させる。

楽書講読(独または仏)

初級の履修を終えた外国語のテキストを精読する。

和声Ⅱ

3年次

音楽学研究Ⅲ A/B

各自の研究テーマを設定し、研究を進める。

4年次

音楽学研究Ⅳ A/B

各自の研究を進め、卒業論文をまとめる。

学内発表

卒業論文の中間発表を行なう。

1~4年次

西洋音楽史概説A/B

西洋音楽史の基礎を学ぶ。

音楽学概説

音楽学へのイントロダクション。さまざまな研究方法について学ぶ。

音楽史特講a/b/c/d/e

さまざまな視点から音楽史を学ぶ。

日本音楽史概説

日本音楽の基礎を学ぶ。

音楽民族学概論

アジア諸地域の伝統音楽を中心に、基本知識を習得しアジア音楽を理解する。

ポピュラー音楽概論

ポピュラー音楽を「文化現象」として捉え考察する。他

関連科目:楽器研究Ⅰ·Ⅱ·Ⅲ·Ⅳ/音楽教育論/音楽心理学/音楽療法/オペラ総論/アート·マネジメント/楽書講読(独·仏)/音楽芸術言語/合奏/キーボードハーモニー/アンサンブル特講/スコアリーディング/コンピュータ音楽/指揮法/合唱/楽式論/対位法/楽器学/管弦楽法/楽曲分析/楽曲研究/ソルフェージュC・D/ピアノ奏法Ⅱ/ピアノ奏法Ⅲ/ピアノ奏法Ⅳ 他

カリキュラム構成と特徴

1年次から4年次そして大学院まで見据えた段階的な教育体系によって、各自の研究を発展していきます。

  • 1年次、2年次で音楽学の基礎的な方法論を学びます。
  • 3年次から各自のテーマに基づく研究に取り組み、4年次で卒業論文を完成させます。
  • その過程では語学をはじめ、実技や理論を修得し、そして特別講座や総合ゼミを通じて幅広く高度な知識と経験を身につけていきます。学生は在学中に、音楽学部の演奏会のプログラム解説の執筆、特別講座などのコース内のさまざまな活動にも積極的に参与することで、より実践的な研鑽を積み重ねていきます。
  • 国際的な学修経験を積む機会も多く、国外の研究者・アーティストによるゼミや特別講演を開講しています。また、提携校への派遣留学制度などにより海外大学修学の道へ進む学生のための支援も積極的に行なっています

教員Faculty members

非常勤講師一覧

在学生の声Voice of Students

入試情報
Admission Information

作曲専攻 音楽学コースでは、学校推薦型選抜、一般選抜を実施しています。学部入試(音楽)

入試過去問題(音楽)

卒業後の進路Career path after graduation

一般および音楽関連企業組織への就職、教職(中高)、国内外への進学など幅広く活躍しています。

就職等

浜松市楽器博物館、北九州市芸術文化振興財団音楽事業課、豊田市文化振興財団、愛知県文化振興事業団、長久手市文化の家、愛知室内オーケストラ事務局、三井住友海上しらかわホール、ヤマハ音楽振興会、新国立劇場運営財団、豊橋市役所、トヨタ紡織、秀英予備校 など

教員

ノース・カロライナ大学グリーンスボロ校、愛知県立芸術大学(非常勤講師)、名古屋大学(非常勤講師)、名古屋市立の中学校および高等学校、愛知県の私立高校、東京都立特別支援学校 など

進学

愛知県立芸術大学大学院、国内外の大学院 など

留学

フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学ライプツィヒ、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校、コロンビア大学大学院、イーストマン音楽院大学院、ロンドン大学大学院、モンペリエ大学大学院、プラハ音楽院、オスロ大学大学院

活躍する卒業生・修了生

卒業論文Graduation Thesis

2021(令和3)年度
  • ドヴォルザークとチェコの民族舞曲フリアント
2020(令和2)年度
  • ブラームス作品のソナタ形式――動機展開と再現部導入に焦点を当てて
  • ピリオド鍵盤楽器の特性がピアノ作品に与えた影響――ウィーン式アクションをもつフォルテピアノとロベルト・シューマンを事例に
  • ガブリエル・フォーレ(1845-1924)の《レクイエム》――20世紀日本における受容
  • 「仮面ライダーシリーズ」の音楽と音要素の効果について――『仮面ライダー鎧武』の第1話を事例に
2019(令和元)年度
  • ロシア民謡に基づくロシアの管弦楽曲――チャイコフスキーを中心に
2018(平成30)年度
  • ハワイの民族舞踊フラとその音楽の変遷――商業化するフラとその伝統性
  • シューマン『音楽と音楽家』再考――批評家としてのシューマン
2017(平成29)年度
  • クヌート・ニーステッドの合唱作品研究――無伴奏混声合唱作品を中心に
  • G. Ph. テレマンのオペラ研究――ハンブルクで上演された作品の楽曲分析からの考察
  • 組曲《展覧会の絵》におけるホロヴィッツの音楽表現について――原曲とホロヴィッツ版の比較による考察
2016(平成28)年度
  • ヴィクトリア朝イギリスにおけるコンサートの大衆性――クリスタル・パレスの土曜コンサートを例に
  • 「ONE OK ROCK」研究――日本のロック音楽史において
  • ミュージカル《エリザベート》の“宝塚化”――ウィーン版と比較して
  • ジュゼッペ・ヴェルディの政治性――カンタータ〈諸国民の讃歌〉(1862)のナショナリズムを中心に
  • シュニトケの多様式主義研究――アニメーション映画の視点から
2015(平成27)年度
  • アドルフ・アダンのバレエ《ジゼル》(1841)研究――楽曲分析を中心とした音楽についての考察
  • ジェラール・グリゼー〈部分音Partiels〉冒頭部の分析――冒頭部における音響学からの影響を中心に
  • 初期学習者のためのヴァイオリン教則本研究――『鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集』第一巻を中心に
  • フィギュアスケート競技に用いられる音楽――プログラムに用いられた楽曲の分析とその比較
  • シェーンベルクの音楽《幸福の手》研究――その歴史的意義について
2013(平成25)年度
  • プーランクのバレエ《牝鹿》――音楽・歌詞・振付からの一考察
  • 革命後のキューバにおけるヌエバ・トローバ――シルビオ・ロドリゲスの作品を中心に
2011(平成23)年度
  • レベッカ・クラーク研究――その生涯とヴィオラソナタを中心に
  • “作曲家”宮沢賢治の誕生――宮沢賢治全集「歌曲」の項を中心に
2010(平成22)年度
  • イタリア未来派音楽研究――バリッラ・プラテッラの作品を中心に
  • 古代エジプトにおけるカイロノミスト――ハンス・ヒックマンによる先行研究の検証とそれに基づく分析
  • ルイ・ヴィエルヌとオルガン音楽――オルガン交響曲第3番の分析を中心に
  • 長崎県生月島のオラショの現在――歌オラショ《ぐるりよざ》の分析を通して
2009(平成21)年度
  • ドビュッシーの歌曲<星の夜>にみるマスネの影響
  • 公立文化施設の活性化について——愛知芸術文化センターを中心に
  • ムツィオ・クレメンティ研究——練習曲集《グラドゥス・アド・パルナッスム》をめぐって
  • 日本におけるベートーヴェン受容——没後100年記念をめぐって
2008(平成20)年度
  • 障害児の音楽療法における音・音楽の使い方と音楽的特徴——言語と動きへの働きかけを中心に
  • J. シベリウス(1865-1957)のヴァイオリン協奏曲 作品47に見る音楽様式——交響曲第2番・第3番を中心とした比較・分析
2007(平成19)年度
  • ヨハネス・ブラームス(1833−1893)《51の練習曲》——技術的特徴とピアノ曲との関連性を中心に
  • セロニアス・モンクの音楽的特徴——『ラウンド・ミッドナイト』の分析から
2006(平成18)年度
  • ウジェーヌ・イザイ《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ作品27》の書法——ヴァイオリン奏法の視点から
  • ヘンデルのオラトリオ《サウル》における借用——劇的要素との関連を中心に
2005(平成17)年度
  • ラヴェルのオペラ『子供と魔法』——坊やの心理的変化と音楽との関連性を中心に
2004(平成16)年度
  • 名古屋のわらべうた『おせんべい』——伝承過程における音楽的変化
  • チャールズ・アイヴズにおけるアメリカ的要素——交響曲第2番を中心に
  • 蜷川幸雄演出『ハムレット』(1988年)における音楽——オフィーリア狂乱の場面を中心に
2003(平成15)年度
  • プロコフィエフのオペラ《賭博者》Op.24――ロシア語のデクラメーション・スタイルを中心に
  • スペクトル楽派の音楽——トリスタン・ミュライユの『デザンテグラシオン』をめぐって
2001(平成13)年度
  • 日本のニュー・ウェイブ——戸川純を中心に
  • 知的障害者のための音楽療法
2000(平成12)年度
  • ジョン・フィールドの『ノクターン』
  • 18世紀のホルン書法——協奏曲を中心に
  • チャイコフスキーの組曲——交響曲創作との関係
1999(平成11)年度
  • ベートーヴェンのピアノ作品の変遷と当時の楽器との関わり——ソナタOp. 2-3とOp. 53を比較して
  • リストの≪パガニーニ大練習曲集≫——1838年から1851年への変化
1998(平成10)年度
  • 自閉症児の音楽療法——重度自閉症児4人の治療実践を通して
  • 石川県押水町の獅子舞研究——獅子の分析を通して
  • ≪ラプソディー・イン・ブルー≫の研究——コンチェルトにおける大衆性
1997(平成9)年度
  • ドヴォルジャークの弦楽四重奏曲——中期の作品を中心に
  • 歌舞伎≪勧進帳≫の研究——劇と音楽・音との関係

ミクスト・ミューズ(音楽学コース紀要)Mixed Muses

この雑誌タイトルは、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル (1875−1937)が晩年の傑作《左手のための協奏曲》の自筆譜に書き付けたラテン語 musae mixtatiae の英訳です。 この協奏曲にはさまざまな様式が並置されていることから、ラヴェルはこのようなコメントを書き付けたのだと思われますが、 私たちも、さまざまな様式を並置させた間口の広い音楽学の雑誌を作っていきたいと願って、 このタイトルを採用しました。

2022(令和4)年 no.17
2021(令和3)年 no.16
2020(令和2)年 no.15
2019(令和元)年 no.14
2018(平成30)年 no.13
2017(平成29)年 no.12
2016(平成28)年 no.11
2015(平成27)年 no.10
2014(平成26)年 no.9
2013(平成25)年 no.8
2012(平成24)年 no.7
2011(平成23)年 no.6
2010(平成22)年 no.5
2009(平成21)年 no.4
2008(平成20)年 no.3
2007(平成19)年 no.2
2006(平成18)年 創刊号 no.1

大学院 博士前期課程 音楽学領域

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