愛知県立芸術大学

イベント

Event

美  術

2024年5月11日(土)~ 6月2日(日)

つづき りょうこ個展「Layer」

日時

2024年5月11日(土)~ 6月2日(日)

※月曜休廊

12:00~19:00

場所

愛知県立芸術大学 サテライトギャラリーSA・KURA

入場料

無料

概要

この度、サテライトギャラリーSA・KURAでは、つづき りょうこの個展「Layer」を開催いたします。
つづきは本学大学院油画・版画領域を修了し、在学中よりシルクスクリーンを用いて数ミクロンの色面が幾度も刷り重ねられることで「色」が物質として立ち現れるような絵画を制作してきました。今回の展示ではつづきが現在のスタイルになるきっかけとなった作品として、優秀作品賞を受賞して本学に収蔵された自身の修了制作を展示、そこから繋がる現在への流れとして最新作数点を展示します。

ネットスラングの一つに『擦る』というものがある。 もともと『擦る(こする)』とは、『物に押し当てたまま繰り返し動かす』という意味で使われる動詞だ。これが漫才業界の中で『同じネタやギャグを何度も使う、複数回披露する』という意味で用いられるようになり、それがネット上で広まり『何かを繰り返す』という意味で幅広く使われるようになった。

私の作品のほとんどはシルクスクリーンという、版画の中でも特に『孔版画』と呼ばれる技法を用いて作られたものだ。 私はポリエステルの合成繊維の上に描かれたイメージの上にインクをのせ、スクイージと言われるゴム状のヘラで何度も『擦る』。 私はその何度もインクを『擦る』行為にネットスラングの『擦る』という言葉を想起し、それと同時に社会に大きな影響を与えた出来事の多くが年を経ても反芻され『擦られている』(この言い方は不適切かもしれないがここではあえてそう明記する)ことを想起した。そしてその『擦る』行為が、社会にとっては必要だからこそされているということも。

私はずっと社会と自分との間に漠然とした『距離感』を感じていた。だから私はそれらを俯瞰的に・多角的に眺めるため何度も『擦り』、物質として可視化する。私が感じている距離感こそが私にとって最もリアルな感覚であるから。

出来上がった作品は、『社会で起きた出来事と私が感じている距離感』を物理的に立ち表す。この行為は私自身の『認識』と『自覚』の為の作業である。そして私はこの作業によって、私も知らない誰かの『自覚』の一助になればいいと思っている。

つづきりょうこ(作家ステートメントより引用)

主催:愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学

詳細

こちらのチラシをご覧ください。

問い合わせ

愛知県立芸術大学 芸術情報・広報課

Tel
0561-76-2873(平日9:00~17:30)
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