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卒業生インタビュー(3回目)-日本画

芝 康弘さん 1996年 日本画専攻修了

「作品から人と社会がつながることを実感」

30歳で院展に入選し、日本画家の道を歩み始めた芝康弘さん。なつかしい風景、子どもや馬などを表現しています。絵によって思いもよらないご縁が生まれたことなど、芝さんの現在について伺います。

jpaint-interview-03-01芝 康弘さん

・・・芝さんの作品を見ていると優しいイメージを感じて、作品の中へ気持ちが入り込んでしまいます。

芝「見ていただく方が、何かイマジネーションを持ってくださるような絵を描きたい、と思っています。僕の作品は写実的な表現ですが、3Dの完全再現描写ではなく、2.5Dくらいに留めて、残りの0.5Dの補完は見る側にお任せするといった感じです。それは全体感、場の雰囲気、空気感に重きを置いているからです。絵具を重ねるだけでは求める光の表現になかなかならないので、実は塗った岩絵具を拭いたり削って、また重ねて、削って...を何回も繰り返して階調(トーン)を整えています。モチーフはノスタルジックな風景が多く、僕の子どももよく登場します(笑)。愛知は便利な場所にあるので、ふらっと車で長野や岐阜へ取材に出掛けて、スケッチしたり、写真を撮影しています」。

jpaint-interview-03-02北海道ニセコ町公式ホームページより抜粋

jpaint-interview-03-03《みつめるもの》、北海道ニセコ町蔵

・・・絵を描いていて、意外なこととかありましたか?

芝「院展は全国を巡回しています。地方で見られた方からも、僕がつくったホームページも見てくださり、問い合わせを頂くこともあります。そのなかで、『芝さんの絵を見て感動して、地元の子どもたちにも見せたい』という連絡をくださった、北海道ニセコ町の方がいらっしゃったんです。院展の巡回展で見た僕の作品を買って、ニセコ町に寄贈してくださいました。僕は馬を描くために北海道にはよく行くのですが、そういうご縁もあって、先日ニセコ町に初めて伺いました。このことがあってから、絵で社会と繋がることで役に立てることはないか、と考えるようにもなりました。それと、僕が育った岡山や徳島にあるデパートで個展をしたとき、教えてもらった先生や旧友が来てくれて、なつかしい再会もありました。そして作品を見たギャラリ ??の方からは『扱いたい』という連絡を頂いたり、僕のことを支えて下さる方も出てくるようになりました。日本画家になったからこそ、人との出会いの大事さに気付かされたように感じます」。

北海道ニセコ町公式ホームページ「まちの話題」
http://www.town.niseko.lg.jp/wadai/2013/05/002982.html

jpaint-interview-03-04《たからもの》 12号  2011年制作 愛知県立大学看護学部蔵

・・・芝さんのこれから、将来の夢などをお聞かせください。

芝「心の感度を高めて、本当に描きたいと思うものにひとつでも多く出逢いこだわって表現していきたいです。今年は画壇の第一線で活躍する作家たちによる『21世紀展』にも出品でき、大きなステップと感じています。また、これまでもデパートで個展をさせていただいているのですが、この先もある程度予定が決まっています。実際は厳しいですけど、絵を描いて生活する!と決めているので、今後もがんばっていきたいですね」。

芝 康弘(しば・やすひろ)
1970年生まれ、1996年愛知県立芸術大学大学院美術研究科日本画専攻修了。2001年第86回院展初入選後、日本画家として活躍。

インタビュアー・藤田千彩(アートライター)
取材日 平成25年6月5日