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病院アウトリーチプロジェクト  病院アウトリーチに関わるアーティストの育成

病院で闘病生活を送る方たちなど、芸術を必要としながらホールや美術館に足を運ぶことができない人々の元へ、こちらから出向いて良質なアートを届ける芸術アウトリーチ活動は、人間の営みとして高い意義をもっています。このプロジェクトは、大学院在学生(音楽・美術)を対象に、病院で「自ら企画し、演奏できる」アーティストを育成する日本初の試みです。

●プロジェクトの内容

このプロジェクトは、愛知県立芸術大学の大学院在学生を対象に、病院における良質な芸術活動に関わるアーティストを育成することを目的としています。そのために今年度、大学院の「アートマネジメント」の授業を拡充し、新たに病院における芸術活動に特化した講座を開設しました。

受講生は前期にアウトリーチの特色である対象者とのコミュニケーションに基づいた企画の実践を児童館で行った後、後期に病院でのコンサート実施に向けたトレーニングに入ります。そこでは、演奏面と企画面での指導を受けるほか、院内コンサートに求められる配慮事項や病院のホスピタリティ及び患者心理などを学びます。こうして、受講生は理論と実習を通してノウハウを学び、「自ら企画し、演奏できる」スキルを身に付けます。

医療における芸術活動は、必要性は認識されながらもいまだにノウハウが確立していませんが、愛知芸大でそれに関わる芸術家が育成されていくことにより、愛知県はもとより、日本全体にとって大きな成果が生まれることが期待されます。

●プロジェクトの背景

 現在、病院で行われる音楽や美術の催しなどはかなりあり、実践したいと思っているアーティストも数多くいます。しかし、病院における芸術活動は、単にその場所でアートを実践すればよいということではありません。場の制約、資金源、院内協力者の有無、広報・告知の仕方、選曲、病院と芸術家をつなぐコーディネーターの有無等、考慮しなければならないことがたくさんあります。ところが、病院への芸術活動に関わる芸術家を育成するための教育は本学を含め芸術系大学では、これまでほとんど行われてきませんでした。

 一方、外国に目を向けると、「社会に芸術を役立てることを学ぶ」授業が学生の必修科目になっている芸術系大学は数多くあります。たとえば、アメリカの名門音楽学校、カーティス音楽院では、演奏家を病院に派遣して個室患者の求める音楽を目の前で演奏するプログラムを展開しています。

●プロジェクトの特徴

 こうした状況を踏まえて、愛知芸大で「病院アウトリーチプロジェクト」を始めたわけですが、大学院生を育成して、院内コンサートを実施するだけではなく、同時に現状を把握するために、この夏、県内の病院における芸術活動の実態調査(アンケート)を実施します。また、11月末には病院アウトリーチ活動の第一人者であるアメリカのカーティス音楽院のメアリー・ジャヴィアン氏を招へいし、特別講義や講演会等を行います。

 病院における良質な芸術活動を行うことは、その場に集う人に心の癒しを与え、病院にとっては院内環境の向上になり、芸術家にとっては社会経験の場となり、愛知芸大にとっては地域貢献と卒業生のキャリア育成支援となります。今後とも、このプロジェクトにご注目くださるよう、よろしくお願いいたします。

2017年7月21日(木) 

記者発表資料はこちら(PDF)


今年度7月以降のスケジュール

7月下旬以降 児童館等での実践(※1)

7月末~   愛知県内の全病院に対するアンケート調査実施

10月上旬~11月下旬 病院での院内コンサートの計画作成

11月下旬  カーティス音楽院ジャヴィアン氏招へい

12月以降  院内コンサート実施

※1.児童館での実践に関しては、「長久手市文化の家」にご協力いただいています。

[問い合わせ]

愛知県立芸術大学
学務部 ロベル智子
音楽学部教授 井上さつき/安原雅之
Mail: outreach@mail.aichi-fam-u.ac.jp