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卒業生インタビュー(3回目)-陶磁

小枝 真人さん 2001年 陶磁専攻修了

「陶芸で切り開いて行く未来」

さまざまな賞を受賞し、2011年には、アメリカでのグループ展に参加した小枝真人さん。今回は陶芸の魅力や楽しさについて、教えていただきました。

ceramics-interview-03-01小枝 真人さん

・・・小枝さんにとって、陶芸の魅力とは何でしょうか。

小枝「陶芸は実用的なものをつくっていく世界です。100円ショップでも私がつくったものでも、お皿はお皿。でもせっかく食べるなら、美味しいものを美味しく食べたいですよね。お寿司でもハンバーグでも美味しく感じるには、引き立つお皿があるとなお良いでしょう?現代の和食に洋食が混ざって来ているように、食生活や生活スタイルも進化や変化をしています。普段からそういうことを意識して、私はデザインを考え、私だったらこういうものが欲しいと想像しながら、制作を続けています。」

ceramics-interview-03-02染付壷「ほろほろ鳥」-2011年

・・・染付で描かれるモチーフはどういうものなのでしょうか。

小枝「学生時代は、大学の周りにある草花を描いていました。いま伊豆にいて、ゆっくり物を見ることができるようになり、鳥や魚を描いたり、自然の空間描写をしていこうとしています。枝や木の止まっている鳥が何か話しているような感じとか、見ている人が想像できるようなことを試しています。そうすると余計なものをそぎ落としたり、立体と平面の境目を考えたりしています。」

・・・今の小枝さんの活動について教えてください。

小枝「デパートなどで展覧会を開いています。また毎年5月には、私のアトリエがある地域で「伊豆高原アートフェスティバル」が行われています。ここには陶芸だけでなく、手芸や他の工芸のアトリエが100軒ほどあるので、私は、私と同じく陶芸家をしている妻と一緒に、アトリエを開放して展示しています。」

ceramics-interview-03-03「伊豆高原アートフェスティバル」小枝さんのアトリエでの展示風景

・・・2011年にはアメリカで展覧会もなさったのですね。

小枝「はい。アメリカのフィラデルフィアCLAY STUDIOで、日本の陶芸家8人による展覧会『Five by Eight』に出させてもらいました。美術館キュレーターのフェリース・フィッシャーさんが、私たち日本の陶芸家に興味を持ってくださり、実現した展覧会でした。アメリカという国、1人5作品も展示するという展覧会で、1カ月もの会期でした。美術館には展覧会場だけでなく、レジデンス(作家が滞在する場所)があったので、家族と一緒に滞在し、土をこねて焼くまでの制作をすることができました。法律の関係で日本から釉薬を持って行けなかったのですが、美術館の研究員が協力的で、私の思うような色を調合してくれたことも、とてもうれしい思い出です。」

ceramics-interview-03-04フィアデルフィアCLAY STUDIO『Five by Eight』展での展示風景

・・・陶芸を目指す学生の皆さんにアドバイスや、小枝さんのこれからの夢をお聞かせください。

小枝「陶芸の作業は乾燥や削りのタイミングがあるので、他の仕事をしながら、ということが難しいんです。だから、この道に進もうと決めて、たんたんとつくり続けることは重要です。でも工芸の中でも陶芸はやりやすいと思います。先生や先輩に展覧会に誘われて、そのために作品をつくって、売ることができます。また、日本ほどやきもの種類が多い国はありません。コーヒーを飲む器とお茶を飲む器を変えるような、料理に出すお皿も実に多様にわたってる、そんな国は日本以外ありません。この文化をもっと多くの人や海外に紹介できたらいいな、と考えています。」

小枝 真人(さえだ・まこと)
1973年生まれ、2001年愛知県立芸術大学大学院陶磁専攻修了、2003年瀬戸染付研修所修了。現在、静岡県伊東市に工房を構え、作陶を行う。(公社)日本工芸会 正会員、愛知県立芸術大学非常勤講師。

インタビュアー・藤田千彩(アートライター)
取材日 平成26年6月27日