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卒業生インタビュー(2回目)-陶磁

小枝 真人さん 2001年 陶磁専攻修了

「染付に出会って」

陶芸家の小枝真人さんは、愛知県立芸術大学で「染付」と出会いました。大学院を修了したあとは、より深く「染付」を学ぶため、本場の瀬戸染付研修所に進みました。今回は、陶磁専攻の魅力や小枝さんが陶芸家を目指すきっかけとなったお話です。

ceramics-interview-02-01小枝 真人さん

・・・愛知県立芸術大学で良かった、と思うことは何ですか。

小枝「大学によってカリキュラムや雰囲気が違うのは当然ですが、愛知県立芸術大学は『プロ』を育てる学校だと思っています。私がいた頃の陶磁専攻は、3年生から「伝統」、「オブジェ」、「プロダクトデザイン」の3クラスに分かれていました。自由に創作する「オブジェ」、おもに型による成形で陶磁器をデザインする「プロダクトデザイン」もそれぞれ個性があって魅力でしたが、私は「伝統」のクラスを選びました。このクラスで得たことは、ろくろで形をつくったり、形あるものに絵付をすることを学ぶだけではありませんでした。私たち学生の講評を、先生たちから受けるのですが、卒業生である先輩たちも作品を持ち込んで、一緒に講評を受けるほどの熱心さを知ったのです。今でも先輩や後輩とも仲良く、一緒にグループ展をしたり、 ??磋琢磨する関係です。設備が充実していたことと実践的な授業で、思う存分に作品をつくることができたことは今でも役に立っています。先日、料理屋さんから「小皿30枚」という注文を受けましたが、そのような実践を私は学生時代から課題でこなしてきているので、土をこねて、同じ形の小皿を30枚つくり、染付をして、納品する。こうして陶芸を続けて、それで生活できるのは、陶磁専攻での勉強のおかげだと思っています。」

ceramics-interview-02-02染付花器「翡翠」-2011年

・・・授業だけで大変そうに聞こえますが、アルバイトや部活動はなさっていたのですか。

小枝「アルバイトはいろいろしました。スペイン料理屋や居酒屋といったものから、予備校で指導するようなことまで、どれも楽しかったです。部活動は、テニス部と軽音楽部に入っていていました。特に軽音楽部では、学部や学科を超えた友人ができました。一緒に釣りに行ったり、芸祭で変なコスチュームやメイクを考えたり、という仲間と本当に遊ぶことができたことが良かったです。今思えば、愛知県立芸術大学に行って良かった、本当に充実した学生生活を送ることができた、と感じますね」。

ceramics-interview-02-03左から、手づくりのヘラ、形を測る竹ひご、粘土で形をつくった湯呑み、素焼きした湯呑み、染付をして本焼きした湯呑み

・・・愛知県立芸術大学大学院を修了されてからは、ずっと陶芸の道を歩かれているのですか。

小枝「はい、そうです。大学院を修了するときに『陶芸の道一本で生きていこう』と決めました。その後の2年間は愛知県瀬戸市にある瀬戸染付研修所にいきました。大学を出たばかりだと、窯などの設備を自分で持っていません。産地に行けば貸し工房もあるので、続けることはできます。でも私は自分で工房を持つ決意をしていたので、研修所にいる間、先輩たちに聞きながら、少しずつ必要な設備を集めていきました。同時に産地で勉強することで、それはとても勉強になるのですが、だんだんと仲間と作品の形が似てきたり、用途やバリエーションが限られたものになったり、自分のオリジナリティに悩むようになりました。私は静岡県の伊豆半島へ転居して、そこで陶芸家としての活動をはじめるようになったのです。伊豆は鳥や植物が身近にあ ??ので、私のモチーフにも自然と多く登場するようになりました。」

小枝 真人(さえだ・まこと)
1973年生まれ、2001年愛知県立芸術大学大学院陶磁専攻修了、2003年瀬戸染付研修所修了。現在、静岡県伊東市に工房を構え、作陶を行う。(公社)日本工芸会 正会員、愛知県立芸術大学非常勤講師。

インタビュアー・藤田千彩(アートライター)
取材日 平成26年6月27日

インタビュー3回目は、8月26日(火)公開予定です。